卒業式の朝、娘は鏡も見ずにちゃっちゃかと着装していました。
式の準備をしてくれた先生方の心づかいが温かく、合唱の指揮をしながら泣く担任の先生の姿に涙腺が崩壊。担任の先生は、一人ひとりの長所について話してから、花を渡してくれました。学校保護者ご近所と、つくづく人に恵まれた小学校生活でした。
わたしのきものはさりげなく染めで格子が表現された、よく見ると付下げになっている「東雲格子」(室町京正)、黒羽織は「いまの色skala」のお召「ヘリンボーン」(季織苑工房)の裏側を使って作った単衣です。帯は洛風林、羽織に隠れて見えませんが実は名古屋帯です。帯揚げと草履は和小物さくら、帯締めは龍工房、バッグは月之。
娘のきものは青山ゑり華さんで見つけた染め疋田の小紋、背中につけた干支の背守りは和工房あきさんで見つけたもの。半幅帯の上から西村織物の伊達締めを巻きつけて覗かせています。草履は和小物さくらの真綿入りで、何年か前に娘から誕生日プレゼントとしてねだられたもの。紺袴はゑり華のスタッフさんの私物です。同じ身長ということで、お借りしました。
こうして思うと、いつもの仕立てや急ぎの直しは藤工房の加藤さんにお願いしているし、急ぎのしみ抜きやクリーニングはなをし屋の栗田さんにお願いしているし、インナーは気仙沼のたかはしさんだし、足袋は鶴岡のむらまごさんに伺ったときに買ったもの。運んでくださる黒い猫の方々もそうですし、今日の髪と顔を作ってくれたタキちゃんもそうですし、いいねと言ってくださるみなさんに支えられての今日であり明日なんだと思います。
おめでとうの日はありがとうの日。これからもどうぞよろしくお願いいたします。