母の久留米絣

「懐かしい〜!」と母が言ってました。小学生のとき母の日の絵を描くのに、どうしてもこのきものを着ている母を描きたくて頑張ったんだけど、麻の葉模様が難しくて半べそになったことを思い出します。母の久留米絣を受け継いで着ています。ミンサー織の半幅帯、麻襦袢にレース半衿、山形のいわとこさんで買った、鎌倉彫の下駄。

坂本屋さん100周年

土浦市の坂本屋さんの100周年記念パーティーに娘と参加してきました。娘が着ている振袖は、かつてわたしが独身だった頃、坂本屋さんの新年会で司会をしたときに着ていたコーデそのままです。

わたしは秋らしく、辻ヶ花の単衣の訪問着に萩の袋帯、蜻蛉の帯留め。葡萄の蒔絵の末廣。蜻蛉の帯留めは、ブローチだったものを帯留めに加工し直したものです。三分紐は藤岡組紐店のもので、白に金銀入り。お祝いの席に帯留めをするときには必ず使っています。わたしの草履はカレンブロッソのハレモニー!バッグとお揃いです。娘の草履は和小物さくらの真綿入り。疲れ知らずの優秀草履。

リアル娘に大喜びしてくださる方々がいて、連れて行った甲斐がありました。

それにしても100周年!おめでとうございます!!!これからも素敵なお店でいてください!!!

お別れ会

絽の色無地(一つ紋)に墨色の紗の袋帯。帯締めと帯揚げは、彼女が好きだった青系、パールのアクセサリーと黒い扇子。外では黒い花つなぎのコートを。会場にいたそれぞれが「あの人ならきっとこう言ってくれるだろう」という信念めいたものを胸に抱く、華やかながらも寂しいお別れ会でした。
しかし、「平服」というのは面白い。「京都の平服に騙されたらあかん」「園遊会の案内にでも平服と書いてある」しかも猛暑の9月。絽なの単衣なの!?!?
黒紋付あり、色無地あり、小紋あり、Tシャツの人もいたとか。祈る心が大事であって、正解は無いんだと思います。みんなのコーデ、勉強になりました。
以下、わたしが寄せたメッセージです。アナウンサーの橋本理恵さんが麗しい声で読んでくれました。
吉澤曉子様
吉澤さん、貴女さ、あの日わたしのところに来たでしょ。朝からなんか遠くから話しかけられるような変な感じがしてたのよ。そしたら貴女の訃報でしょ。亡くなった時間見たら、なんか妙に納得したというか。まず、しばらくまっちゃんのとこに居たでしょ。それから京都市内をうろついて、みんなに挨拶したんでしょ。関西方面メインに西の方をまわって、それから東に移動して、東京経由して山形に来たんじゃないかな。遠いのに、ありがとうね。
ゴジラ対メカゴジラと言いながら、うめだ阪急さんの祝祭広場で対談した日のことも、お口チャックを合言葉にトークイベントしたことも、昨日とは言わないけど、つい最近のこととして思い出します。たくさんのお客様の前で、飾らない言葉が飛び交って、ほんとうに、心底楽しかった。
貴女はいつも朗らかで、甘え上手で、褒め上手で、芯が強くて、真面目。何より人を育てることに秀でていました。いつだったかわたしが大阪で仕事したその帰りに、ふたりでお洒落なお店に飲みに行ったじゃない?あのとき、着付け師を生業とする人たちの地位を向上させたい、ギャラをもっと高くもらえるようにしたい、と相談してくれましたね。あの夜はいろんな濃い話ができて、終電の時間になってしまうのが惜しかった。もっと若かったら、オールとかしちゃってたのかもね。
貴女ねぇ、逝くの早すぎ。
病気してたくせに、お肌つやつやで少女のように綺麗な顔で、お気に入りの青い雪花絞を着て棺に納まったらしいじゃない?それ聞いて、まず「さすが吉澤、やるな」って思ったわよ。最後まで抜かりない。
貴女に食べさせたかったさくらんぼ、酸味があって甘味もあって、硬さがある「紅てまり」、今年はどうしても間に合わなくて、まさかこんなことになるなんて。ごめんね。
わたしがいつかそっちに行くときに、山形の美味しいものいろいろ持って行くから、待っててください。あんまり早く行くと貴女「いまさん、あかんやん!」って言うでしょ。もっとこっちでがんばってから行くよ。
あづまやの柴川くんの主催するイベントで、パティシエの岡安さんが渡してくれたコーヒーを受け取ったものの、わたしはホットコーヒーが飲めなくて持て余したものをまっちゃんに渡して、そのときまっちゃんはすでにコーヒーを持っていたのに、わたしもすぐ出番だったから「お代わり分にして」って無理やり渡して、そのコーヒーをたまたま休憩スペースに来た吉澤さんに渡したのがきっかけで話すようになったっていう流れは、わたしの中でちょっとした武勇伝です。イベントがあったから、イベントにパティシエが来たから、わたしがコーヒー苦手だったから、まっちゃんが拒まずに受け取ってくれたから、そして何より、貴女が素敵だったから。まっちゃんの部屋の入口に草履があったという報告には、久しぶりのコイバナだったこともあって、ドキドキしちゃいました。いい思い出です。
貴女のことだから、生徒さんたちにはしっかり伝えるべきことは伝えてあるんだろうと思う。でも、多分、貴女の愛する夫・まっちゃんには、いくら大好きと言っても、ありがとうって言っても、全然伝え足りなかったんじゃないかと思います。もしかしたら、生徒さんたちにも、仲間たちにも、ご家族にも、もっと愛を注ぎたかったんじゃない?そうだよね。でも、貴女そっち行っちゃったんだもの、しょうがないから貴女の愛の注ぎ足りない分は、これから毎日、昼は太陽の光となって、夜は星の光となって、私たちに降り注いでください。私たちはそれを全身で受け止めるから。
見た目は華奢だけど、精神が骨太の伝説の着付け師がいたということ、私たちは語り継いでいきます。素敵な時間をたくさんありがとう。またね。
きくちいまより