祇園精舎を読むとちょうど20秒らしく、コロナ対策の手洗い20秒にぴったりのことですが、わたしは枕草子で行こうかな。
春はあけぼのは、紫だちたる雲の細くたなびきたるまでで約10秒だったので、春はあけぼのを2回言うか、夏は夜まででだいたい20秒です。
夏は夜
月の頃はさらなり
やみもなほ
ほたるの多く飛びちがひたる
また、ただ一つ二つなど
ほのかにうち光りて行くもをかし
雨など降るもをかし
風流でいいかなと思うんですがね。
娘にこの話をしたら、「福沢諭吉の学問のすすめはどうかな」と言うんですよ。「学校で、天は人の上に人を作らず、から少し暗記したよ」えー!わたし、天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず、までしか覚えてないなぁ。
すぅ、と息を軽く吸った娘、
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資り、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり」
測ってみたら36秒。ていうか、ちょちょちょ!何それ何それ!すごいんだけど!と興奮するわたしに娘は冷ややかで「6年生はみんな言えるよ」
そ、そうなんだ。
「うーん、そうか、学問のすすめは長かったね。じゃあお気に入りの百人一首をふたつ読むのはどうかな。わたし先に一つ言うから、続けてお母さん言ってね。競技かるたのスピードでね。ちはやふる〜……」
え、じゃぁ天つ風〜……
ふたつで19秒。これもいいな。ていうか娘の底力みたいなものを垣間見た気がします。末恐ろしい。
なんだか悔しいのでわたしも暗記チャレンジしてみます。硬くなった頭にインプットするのは難しいけれど、こういうときだからこそ。子どもたちがコロ休みの間に暗記チャレンジ!