昨日は初釜でした。花びら餅、お干菓子は松と鶴。娘は疋田柄の小紋に大人用の半幅帯です。適当になんとなく立て矢風に結んでみました。二度と同じにはならないどころか、羽の長さを揃えるために、結んでから適当に見えないところをクリップで留めています。

背中に娘をおんぶしてお稽古した日もあり、初釜に参加した娘が、きものを着せたお人形を並べて同席させたのも、ほんの数年前です。小さな手で赤いふくさを捌くようになり、棗をしっかり持てるようになり、お辞儀がきれいにできるようになり、お菓子を運べるようになり、炉を前にお点前ができるようになりました。お茶が大好きな娘のために、きものも襦袢も、大人になっても着られるように工夫した「本断ち四つ身」にしてあります。疋田(ひった)っていうんだよ、と教えたのに、娘は「イクラ柄」と呼びます……。うむむ、たしかにイクラに見えてきたぞ……。

螺鈿の梅を、凍っていると見立てた「凍り梅蒔絵平棗(こおりうめまきえひらなつめ)」でお薄をたてました。茶杓の銘は、初音、瑞雲など。先日の朝みたいに氷点下16度になんてなったら、そりゃぁ梅も凍るだろうね、という話になりました。よく晴れた寒い朝の空気の澄みきった感じ、確かに螺鈿っぽいかも。

余韻に浸りつつ、きものをたたむ夜でした。