黙祷

12年前の今頃は余震に怯えて家族みんなリビングに集合し、停電で真っ暗の中わたしは娘をおんぶしたまま仮眠してたっけな。あのときは家族に食事を与えることに使命感があった。朝が済めば昼どうしよう、昼が終われば夜どうしようの繰り返し。原始時代のお母さんもこうだったんだろうなと思っていた。

津波のことはラジオではちょっと聞こえたけど、そんなとんでもないことになっているとは思わなかった。小学1年生だった長男が、あの山越えて津波来る?と聞いてきたのを覚えている。さすがに奥羽山脈は越えないと思うなぁと答えながら、東の方を見ていた。胸の奥にしまっている思い出、いっぱいあるな。

戦前戦後に昭和が分けられたように、震災前震災後に分けられる世の中になるんだろうなと思ったっけ。

被災地の人が頑張るよう書いてくれと依頼された新聞の小さなコラムに、もう十分頑張ってる人たちに、さらに頑張れなんて言えないと書いたっけ。

もう干支が一回りしたのかと驚く。

地震が発生した時間の黙祷だけじゃ足りなくて、津波が到達した時間もだし、そこから始まるたくさんの数えきれない悲しい出来事の連続、もう今日からしばらくずっと黙祷なんだ。

悼むことと一緒に気を引き締めて、生きていこうと思う。

真善美

腰パッドを省略したら、お太鼓のタレにシワが寄るんだなぁ。ひと手間かけただけで仕上がりが違うんだけど、全部脱いでやり直すパワーは残っておらず、今日はこのままでいいや、ってことにしました。
きものは藍染と桜染の糸を使った紬。きくちいまデザインです。帯は捨松。
母校の跡がそのまま市民向けの施設になってしばらく経つのですが、やっと足を踏み入れました。職員室がカフェに、生物室がピザ屋に……なんか不思議な感じ。娘と美味しいジェラートを食べたのですが、荷物を置ける椅子が面白かったです。「T」をデザインした蕨みたいな校章(真善美)が懐かしかった〜

春近し

春っぽい帯で外出しています。この帯を見つけたのはもう何年も前。一目惚れでした。春が来ると、というよりも、春が来そうな気がすると、率先して使いたくなるんです。まぁ山形はまだまだ雪の中なんですけどね。

立春大吉

立春大吉。嫌なことや辛いことがあった人は、ここを区切りにして、明るい方へ、きれいな方へ、歩いてほしい。
お腹にいた双子を喪って悲しみの底にいたわたしに「節分で区切れ、明日からは春だよ」と泣きながら言ってくれた姑の声を思い出します。
わたしも誰かを励まして、共に前を向く人でありたい。

慈雨、咲く桜。

高校入試の国語の過去問に200字の作文があって、娘が「私の母は優しい雨のような人です」と書いてくれていました。
「ほんとは慈雨って書きたかったんだけどイツクシムの漢字が怪しくて、間違うと悪いから優しい雨にしちゃったんだけど滋賀県のシのサンズイ取ったやつに心で合ってた?」
うん、合ってる。

今日、そんな娘に桜が咲きました。
嬉しいとホントに人って跳ぶんだな。
おめでとう。よく頑張った!!!

密かにSNSで使うイラストのアイコンに、合格祈願の五角形を柄として仕込んでいたんだよね。

一張羅パーティー

「一張羅」を着て集まるパーティー。
カジュアルきものは完全に自分のために着るんだけど、フォーマルきものってお祝いとか誰かのために着ることが多いから、自分のために、自分が着たいように着るフォーマルの会がやりたいねって、何年も前からあづまやの柴川君と話してたんです。やっと実現できました。
柴川君は色紋付。しっとりと重い、とってもいい羽二重で、きものと羽織の色を微妙に濃淡がつけてあるんだって。襦袢とマスクの色もリンクしててカッコよかったです。わたしは波の訪問着に羽子板の袋帯、松竹梅の珊瑚の帯留。

ノリタケの森に集まった70人の着姿は圧巻でした。あづまやさんによると、参加希望者多数で抽選になってしまったので、今回の反省も踏まえてまた次に活かさなくちゃ、とおっしゃってました。去年絽の付下げ買っちゃったから夏のパーティーもしたいって言ってみました〜w
いつかまたやろう!

ご一緒してくださった皆様ありがとうございました。母から借りて抜けなくなった指輪は無事石鹸をつけてどうにかなりましたことをご報告しておきます。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
昨夜23:50、豚角煮(2kg)の汁に漬けておきたいゆで卵の殻がうまく剥けなくて、いかん、このままではイライラして新年を迎えてしまう!と思って卵放置してお風呂に入りました。湯舟で新年を迎えたのは初めて。ボロボロのゆで卵だけど角煮は美味しく出来たし、まぁいいや。お風呂に入りながら、大げさに大晦日、元旦って名前がついてるけど、結局は日常の繰り返し。今年もマイペースで、適当な丁寧具合でやっていこうと思いました。貫く棒の如きもの、なんだよなぁ。
皆様よい一年になりますように!

あのときの!あのお方

高校の学年全体会に出席したら、入学式のときに声をかけそびれた、素敵な方とお隣になりました。「いつもお着物ですね」「あっ!入学式のとき末広をさしていらっしゃいましたよね!?」あぁ。来てよかったぁ。しかも、昔お目にかかったことのある方でした。嬉しい〜!これから渡される通知表の件は置いといて。

リアルアンジャッシュ

「デイケア行ってるの?」
「電気屋か、たまに来るな」
「来てくれるんだ!どういうことするの」
「いろいろ壊れたとこ直したりだべ」
「いくらかかるの」
「その時々で変わるべ」
じい様と伯母の会話が噛み合ってないのに噛み合ってるようにも聞こえ、後部座席がリアルアンジャッシュ。